費用・準備物

フラメンコ準備⑦バタデコーラ

憧れ。しかし高価なバタデコーラ。

普通のフラメンコスカートとは違って、しっぽ(コーラ)のようなフリフリがながーくついてるバタデコーラ。
(マーメイドラインのウェディングドレスの裾がのびたような感じ。)

しっぽ部分を足の側面で「乗せ上げる」ようにしてファサッと蹴り上げたり(私はこの瞬間が一番好き)、手で持ち上げて贅沢フリルを見せつけながら足技をしたり(芋虫みたいに見えるけど)、色んな演出ができますよね。

みなさんのお教室では、どのように準備されていますか?
先生を経由して、お教室で一括注文?
自分で、それぞれ好きなものを購入?
私は、先生イチオシのテーラーさんへオーダーメイド発注しました。
うちの教室では代々そうで、誰も何も疑う事も考える事もなく、そうしています。
8万円。高いんです。高いんですよ!!!
その8万円のスカート。靴で蹴って飛ばしたり、自分で踏んづけたり仲間に踏んづけられたりして、レッスンの度に「ビリッ!」「ビリビリッ!」・・・みるみる間に色んな所が破れ、お裁縫の日々になるのですけれども。

オーダー品と市販品の違い

更に、バタは自分のサイズぴったりでないと、うまく扱えません。ウエストや腰回りがゆるゆるだと、コーラ(しっぽ)を動かしているうちにスカート全体がまわって美しくない。だから、オーダーする時も「ややきつめ」で計測するんです。ちなみに、ウェスト部分がゴム製とか、やさしい作りではありません。

・・・ええ、おわかりですか?太ってくると、ファスナーがあがらないんです!8万円!体型測定のバロメーター。
こういう買い物ができちゃうってこと、クラフト女子(文科系女子)には理解不能みたいですよ。

なんでスンナリと8万円もする買い物をして、他で安いのを買おうとしなかったのかには、理由があります。
一番の決め手は、やはり先生の太鼓判があるという事。良い生地に、良いレース、カンカン(フリル)たっぷり、眺めているだけで美しい、先生こだわりのバタ。
「ネットや他の店では、安く買えます。だからそれを買ってもいいです。ただ、粗悪品(薄っぺらい。長いだけで厚みに欠ける。サイズがあってない。へんなバタ買ったって、練習にはならないし、見た目も貧相なのよ。)が多いし、最初は自分でバタを探すって難しいと思うの。私が勧めるものを強制して買わせるつもりはないのよ。」と、先生。

確かに高い買い物だったけど、後々、正しい買い物だったなと実感する事になりました。
他の教室から移ってきた方(ネット購入で5万未満とか)のバタを見ると、素人目にも違いは歴然だったし、やっぱり、仕立てやカンカンのボリュームが絶妙なバランス。しっぽの部分はけっこう重たいし、しっぽの長さやカンカンのつき方は重要だと思います。特に初心者は、蹴り上げるポイントを間違うとしっぽが裏返ってしまうのですが、この問題は仕立てもやや関係してくるんじゃないかと。
ま、自己満足の世界ではありますが。

普段のレッスンで、高価なバタを使うのか?!

・・・はい。そうです。
過酷なレッスンで、美しく立派なバタはみるみる破れ、穴が開き、ボロボロになっていきます。
でも、練習用に安いペラペラの、ただ長さだけあるバタを使っていても意味がないのです。
バタの重さボやリュームを、足で、身体全体のバランスで感じ取りながら、腕を使い腹を使い、バタを自分の身体の延長としていくのです。

メンコ歴4年目の発表会でバタデビュー

私のバタデビューはアレグリアスでした。先生の策略で、発表会では大女5人を集めてマントンつき。
しかも、配られた髪飾りは超特大でマントンにひっかかるクライシス。
足にからみつくバタを気にしながらマントンをまわしていたあの一時期は、ストレスもMAXで本当に試練でした。

大女は、普段の生活では縮こまっている事が多いので、自分の身体を最大限に駆使して大きさを美しさとして見せつけるなんて考えられなかったのですが、今ではすっかり調子に乗って「おりゃおりゃー!」と、気持ちよくふりまわしています。

(レッスン後はこのように裏返して干しています。腰回りは自分の汗、しっぽ部分はスタジオの床掃除でほこりまみれに。)

ちなみに、うちの教室の発表会衣装は教室からのレンタルですが、バタデコーラだけは「自前」の場合が多いです。よって、オーダーする際に、これまた「強制ではないけれど」という事で、色は赤系(赤、エンジ)か青系(青、水色、紫)にしてほしいと、教室から言われます。で、発表会等の群舞メンバーを決める際、先生側にて「○○ちゃんはバタ何色だっけ?」「○○ちゃんと○○ちゃん、体型似てるからバタ交換できる?」といった情報収集や調整がなされます。
でも、色はあくまで「協力」ベースなので、中には黒、ショッキングピンク、黄色、緑のバタをオーダーした人を見たことがあります。そういう方は発表会はどうなるのか?というと、教室レンタル品の特大バタを貸してもらえます。ただ、万人が入るような特大サイズを自分用にお裁縫するので、かなり重たくなり、自分がちょい苦労するのでした。
あと、黄色や薄ピンクのバタだと、舞台照明を浴びると白っぽく見えてしまって残念です。

私はフラメンコ人生で2つ目のバタを買う事はないと思いますが、今まで自前の赤、借り物の青、紫、白黒水玉のバタを履くことができました。次は自分の結婚式で白いのを履きたいなあと夢を見ますが、まあ、無理でしょうね。前にも書きましたが、その時は介添え人さんなんて要らない。ファサッ!と足で蹴れば、シュタッ!と手でキャッチ!引きずるスカート裾なんて気にしない。ドレスの裾裁きなら任せて!って感じです。

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