曲の構成を知ろう!

意識してないと後で苦労する、フラメンコの曲の構成

私はまさに、いまだにアセアセと苦労しているので、ビギナーさんのうちから慣れておきましょう!と、訴えたいのは、>曲の構成について。

ジャマーダ、レマーテ、レトラ、1歌、2歌、ファルセータ・・・などなど、何の事かわかりますか??
これらはフラメンコを構成する部分名称です。
歌謡曲でいう、Aメロ、Bメロ、サビ、みたいなもんです。
これがわからなくて、普段のレッスンや発表会で困る事はあまりありません。「えっ??わからないでやってるの?!」とは言われそうだけれども。10年選手の私は恥をかきながらもくぐりぬけて生きてます。

いつ困るか、と言うと、ソロで踊る時に困ります!!!
リハーサル時、ギターさん、唄い手(カンテ)さんに自分が踊る曲の構成を自力で説明しないといけないからです。

踊り手それぞれに、教室毎に、構成は異なる

社交ダンスの「ワルツ」に色んな曲があるように、フラメンコの「ソレア」にも色んなバージョンがあり、踊り手が組み立てる構成によって曲の長さも変わってくるのです。パーツパーツのつなげ方やおおまかな構成は決まってはいるんですけれども。

あ、あってるか自信ないですが(汗)、仮にこういう流れとか。
サリーダ(歌い始め。ティリティタン・タタンタン♪とかアイアイアイイイイイ~~、みたいな。ちなみにサリーダって『出口』の事です。スペイン旅行時に、わずかながら役立ちました。『入口』はエントラーダと言います。メンコ関係ないけど。)
 ↓
ジャマーダ(踊り手からカンテさんへの「次から歌っておくれ!」の合図。ここをハッキリやらないといつまでたっても歌ってくれない(涙))
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レトラ(歌のこと。)
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ファルセータ(歌の入らない、ギターだけの伴奏のところ。シレンシオみたいに暗くもなく、ホロホロホロ~っと綺麗な旋律。)
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エスコビージャ(踊り手の見せ場となる足の猛烈パート)
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ブレリア(最後に三者がわんさか盛り上がるところ)
 ↓
舞台からハケるための歌

他にもあるある、構成用語

レマーテ:歌を2番まで歌ってもらう時に使います。2番目の歌を呼ぶつなぎの部分。
スビーダ:足のテンポがどんどん速くなるところ。スビーダしてジャマーダして歌、とか。
シエレ:締め。スビーダしてシエレして、その後少し違うテンポで踊る、とか。
タパーダ:ギターの、音色を出さない、トゥクトゥクした音。「ここはタパーダでお願いします!」と言ったり。
他にもたくさん、あるんです。
でも、全てをガリガリに受験勉強する必要なんてありません。
ギターさんカンテさんに「ここが何コンパスでその後何コンパスあれをやってあーでこーで」と長々とりとめもなく説明するのも、お利口ではありません。

ではどうやって自分のフラメンコの構成を伝えるのか?

「1歌やってもらって、ファルセータ。足やるんで、それから2歌お願いします。後は足やって、最後はブレリアでおしまい。歩いて帰るんで、適当に引いてください。」
みたいなことをスマートに伝えられるといいですね~。(これがなっかなか、日頃から慣れてないとできないんです)
もちろんこの言い方は簡略化しています。でも、ギターさん達にはいわずもがな、わかります。長々説明するより簡潔で分かりやすい。後は踊りながら、
踊り手:「あっ!すみません、ここはこうなんです!」
ギターさん:「あ、そうなるのね。オッケー。ちょい前からも一度いい?」
みたいなやりとりをして、作り上げていきます。

ソロ苦労話

私は曲の構成を理解していないまま、ソロをやる機会が来てしまいました。
先生は助けてくれない、仲間にも聞けない(言葉で説明できないから聞き方すらわからない。踊って見せるならできましたが。)。で、うろたえながら「ソロ初めてなんです!!」と最初にギターとカンテさんにお詫びをしました。。
カンテさんには途中、怒られました。歌をぶっつりと、足でブチ切る入り方をしました。でもなんでそんなに怒ってるのか理解できなかったなーあの頃は。

ギターさんは多分ワタクシメのようなショシンシャーに慣れていて、優しかった。コンパスがとりやすいよう、わかりやすい強弱のついた曲を弾いてくれたし、カンテさんと踊りで意思疎通のできない私に、「ジャマーダはこっちを向いて視線を合わせてやりましょう!呼び込む感じで!」とアドバイスしてくれました。

初ソロの後、もうソロなんて絶対に嫌だ!と思ったけれど、ソロでやらなければわからない事がたくさんあったんだなと実感しました。発表会の群舞の時も、ギターさん達に「ここはこうなんです」と、みんなを代表して説明できるようになりました(みんなすがるように私を見る)。完璧じゃなくて、カタコトのスペイン語、みたいな感じですけどね。
そして、自分は最初から「群舞」に慣れすぎてしまった。
習い始めて数年のうちに、生ギターとカンテで踊る経験をしていたら、進む道のりも違ったのかもしれない。ああ、だからうちの教室は、ソロで踊りたいからとい理由で辞めていく人が多いんだ、と、思ったきっかけでございました。

そんな訳で、『構成』はちゃんと理解しておきましょう。
普段のレッスンでも、曲で出てくる順番に振りを習う訳ではないですからね。「ここはレトラです」「来週からはエスコビをやります」そんな先生たちの言葉に耳を傾けましょう。自然と、「あ、ここはジャマーダだ。ハッキリやらないと歌に入ってもらえない所だな。」という思考回路ができあがって、身についていくと思いますよ。

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