レッスン・発表会

「テクニカクラス」とは

フラメンコ始めようかなと思って各教室のホームページを見ていると、通常の「初級クラス」「中級クラス」といったクラスとは別の、「テクニカ」というクラス枠を見る事があると思います。これ、なんのことかわかりますか?私は、メンコを始めて1年くらい経って、「テクニカに出てみない?」と先生に言われ、その時にようやくその概要を知りました。

限定された技術を磨く特化クラス

テクニカクラスは基礎のできている経験者が受講対象で、何かに特化したクラスの事です。単発で受講するものではなく、メインのレッスンは別にあり、その手助けとなるサブ的な要素を持ったクラスです。カスタネットだったり、サパテアード(足)だったり、はたまたバタデコーラだったり、課題は様々。クラスレベルは関係ありません。

例えばカスタネットのテクニカクラスだとすれば、カスタが苦手、もっとうまくなりたいという人たちが受講し、単純にカスタを音良く・綺麗に打つ練習と、カスタを持って打ちながらブラソ(腕)や身体を美しく動かす練習を、みっちり1時間やる感じです。最終的には、上級者であればカスタが壮絶な曲にその稽古を活かし、初級者であれば、上級者と一緒のレッスンを受ける事で刺激をもらい、そしてカスタが少しうまくなる事で更に楽しくなってモチベーションがあがるという効果があります。
うちの教室では期間は1年ではなく、2、3か月くらいで課題が変わり、その都度、受講者の募集があります。課題は年に1回行われる生徒へのアンケート結果と、最近の生徒の技術状況を先生が考慮した上で決定となります。サイクルはだいたい決まっていて、発表会の直後は基本を見返すためにサパテアードの特訓テクニカがあり、その後、クラシコ用の回転などバレエ的な要素の強いクラスや、たまにカホンクラス、パルマクラスがあり、発表会間近になると、発表会でバタデコーラやマントンで踊りたい生徒のために、その特化クラスが作られます。受講人数は限られているので、希望者全員が受講できるというものでもなく、早いもの順でもなく、先生が「この人には必要だ」と思う生徒さんが当選し、「この人は別クラスに出るべき」「この人にはまだちょっと早くて難しいかな」等と判断された場合は落選となってしまいます。

上手い先輩に混じって気後れする?

レッスンでは何かの曲を習う訳ではなく、ひたすらに同じことを繰り返し練習していくクラスなので、まさに修行です。生徒が20人いたとしても、1人1人、みんなの前で披露させられて、できなくて恥ずかしく情けない思いをし、奮起する事もしばしばあります。上級者より初級者のほうがうまい、という時だってあります。
でも、全く知らない上級クラスの先輩たちと一緒に習うなんてどうしたらいいの?自分ひとりだけできなかったらすごい恥ずかしいんですけど・・・など、思う事はあると思います。私も最初は、それこそ学生時代の部活の先輩後輩のように気を使ってしまい、下級生は最前列でレッスン受けたらまずいよねとか、更衣室も早く行って先に着替えて、遅く入って最後に出るとかしなきゃだよね、自分ができないせいでレッスンをストップさせて先輩の時間を奪う事があってはならないよね…なあんて考えていたし、遠慮もしていた訳ですよ。

いやいや、しかしそれは男前メンコ女子の良いところ。本当に一生懸命やっている姿は、先輩も認めてくれるんです。先輩たちにとっては簡単な事だけれど、初級の自分にはすごく複雑で難しくて覚えられずに、スタジオの廊下で1人縮こまって練習していると、「あ、そこはこうよ。ん?もう1回やってみて!」と、教えてくれるようになり、レッスン中も「グアヒーラちゃん、前に行って先生の足元みなよ」とでも言うかのように目くばせで場所を空けてくれるのです。感動しちゃいます!!!(もちろん、私にだけそうな訳ではなく、頑張ってる人みんなに、ですよ。ふざけてる人には容赦ないですが。)

受講したほうが良い?

テクニカクラスは、是非トライしてみましょう。1レッスン枠、余計に月謝がかってしまいますが、メンコを始めて1年程度経っていて、まだ週1のレッスン数であれば、参加してみることをオススメいたします。上級者になると、色々「できて当たり前」とみなされてレッスンが進みますし、通常のクラスの内容で手一杯になってしまうので、比較的時間と体力に余裕のある初級のうちに、苦手な分野は攻略しておくほうが良いです。通常のレッスンでは踏み込んで時間をかけられないものを、粘り強くあきらめずに追求する事ができるので、回数をこなして身体に覚えさせることができます。

先輩方ともどんどん打ち解けるようになって、先生もそういう関係を把握してレッスンの雰囲気も良くなり、クラスの域を超えて頑張れますから、対人関係での収穫も多いです。

また、先生側にとっても、生徒たちの弱点を発見したり、自分のこの教え方では生徒には伝わらないんだと認識したり、イベントに出演させているような上級者の横で、ひよっこの初級者が踊るバランスを見て、「あれ、この子は鍛えたらダイアモンドになるかも。群舞に入れても良いかも。」というひらめきがあってスカウトされたり?という事もあるようですよ。

とにかく、上を目指すならテクニカはゼッタイ受けましょう!

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