発表会へ向けてギター合わせが終わると、その時の生徒の踊りを確認した先生にて、衣装の選別作業が始まります。予め、「こんな感じでいく。あの子に暖色を着せてあの子は寒色。」(先生が作り上げたいイメージ)というぼんやりした図はあるらしいのですが、ちょいちょい変わっていきます。
待ちに待った試着!
先生が「これで間違いない」と確信した衣装達は、迷うことなく生徒へ配られていきます。しかし、「あの子たちにこれ大丈夫かしら」的な一抹の不安がある時は、通常のレッスン後に楽しい?試着の時間が設けられます。
試着して先生の前に一列に並び、見世物状態になります。
「・・・ぐおー!なんて似合わないんだ!!!」
「何なのこのいもっぽさは(爆笑)!!」
「いけるじゃない~!決まり!」
と、次々に飛び出す先生の感情(笑)
そんなこんなでやっとこさ衣装が決まります。群舞なので、衣装は全員ほぼ同じ(微妙に異なる)か、全員色違い、になります。
「色」はかなり重要で、フォーメーションに影響します。今度は決まった衣装を手で持って、先生の「○○の時の位置に移動!」の、掛け声の元、確認作業が始まります。
最初は色の配置が、緑、赤、黄色、紫、ピンク、黄緑みたいに綺麗にばらけていても、
移動のタイミングで、赤、ピンク、黄色、緑、黄緑、紫
といった具合に、同じ系統の色があまり美しくないグラデーションで並んでしまう場合が多発するのです。
その場合は、何度も何度も移動をし直して、全体のフォーメーションを少し手直しするか、(この時点で立ち位置が変わったり、向き合って踊る時のペアが変わると、かなり混乱。)緑と黄緑の間にピンクを移動させてみるとか、思い切って最初から人と色をチェンジする、ということになります。
ひとくちに「衣装」と言っても、見た目の美しさ、目から入ってくる印象って大事。そんなに単純ではないのです。
衣装のサイズ直し
うちの教室の場合、衣装や小物はすべて先生の持ち物です。
衣装のサイズはまちまちなので、大きいサイズをもらってしまったら、チクチク手縫いのお裁縫をして、自分サイズに仕上げていきます。だいたいが、どんな体系の生徒にも配布できるように特大サイズです。
自分はピアスホールが無いのに、小物でピアスをもらってしまったら、イヤリング台に付け替える作業をします。(100均や貴和製作所など、アクセパーツを扱う店で購入できます。)
先生がひらめいてしまった時は、布1枚が配られて、肩につける大きなリボンを作ったり、腰に巻くサッシュベルトを作ったりもします。ひどい時は、2つの異なるワンピースを上半身はワンピ1が表、下半身はワンピ2が表(ワンピ1はぺちこーち代わり)のような複雑なお裁縫もします。衣装生地を傷めず、長く使えるように、全て手縫い。不器用さんはてんてこまいです。
でも、気分は上々なのです。
練習でどんなに疲れていても、日常生活では着ることのない、フリフリの可愛い衣装、シックで大人な衣装、赤に紫をあわせる、といった、自分では絶対に着ない色合わせに、モチベーションがあがります。
この、衣装のウキウキと、踊りのヒヤヒヤを共存させたまま、私達生徒はリハーサルの日を迎えるのでありました。